必要な標本サイズを読み解く
下の表は、コクランの式から計算した、一般的な信頼水準と誤差範囲の組み合わせにおける必要標本サイズ(無制限の母集団、p = 0.5)を示しています。
| 信頼水準 | 誤差範囲5% | 誤差範囲3% |
|---|---|---|
| 90%(z = 1.6449) | 271 | 752 |
| 95%(z = 1.96) | 385 | 1068 |
| 99%(z = 2.5758) | 664 | 1843 |
- これらの数値は単純無作為抽出と保守的なp = 0.5を前提としています。割合について信頼できる事前の推定値がある場合、必要な標本はより小さくて済みます。
- この計算は標本抽出誤差のみを扱います。無回答バイアス、質問の言い回しの不備、代表性のない標本抽出枠は、標本を大きくしても解消されません。
- 誤差範囲を半分にすると、必要な標本サイズはおよそ4倍になります。eが公式の中で2乗される形で入るためです。
- 非常に小さな母集団では、有限母集団補正によって必要な標本を大幅に減らせます。極限では、標本は母集団全体(全数調査)に近づきます。
標本サイズの計算とは
標本サイズの計算は、次の問いに答えます。標本統計量——典型的には割合、たとえば満足している顧客の割合——が、指定された信頼水準のもとで、指定された誤差範囲の中に母集団の値を捉えるためには、何人(または何個)を測定すればよいか。必要以上に標本を取れば資源を無駄にし、少なすぎれば推定値の精度が実用に耐えなくなります。
誤差範囲とは、推定値を中心とする信頼区間の半分の幅のことです。誤差範囲5%とは、真の母集団の割合が、標本の推定値からプラスマイナス5パーセントポイントの範囲に収まると期待されることを意味します。信頼水準(一般に90%、95%、99%)は、この方法で構成された区間が、繰り返し標本抽出を行った場合にどれくらいの頻度で真の値を捉えるかを表します。信頼水準を高くする、または誤差範囲を小さくすると、いずれもより大きな標本が必要になります。
この計算機は、ウィリアム・G・コクラン著『Sampling Techniques』(第3版、1977年)に掲載された式を、必要な標本サイズを最大にする母集団割合の値p = 0.5のもとで用います。真の割合が不明な場合、p = 0.5を使うのが標準的な保守的選択です。こうして得られた標本サイズは、真の割合が実際にはどうであっても十分な大きさになります。母集団が有限で既知の場合、有限母集団補正により必要な標本が減少します。小さな母集団の中で意味のある割合を標本抽出すると、回答者1人あたりから得られる情報が増えるためです。
この標本サイズ計算機の使い方
- 母集団サイズ——調査対象となる人や項目の総数——を入力します。母集団が実質的に無制限、または不明な場合は0を入力します。
- 信頼水準を選びます:90%、95%、99%のいずれかです。調査研究では95%が最も一般的です。
- 誤差範囲をパーセントで入力します。一般的には5%または3%です。誤差範囲を小さくするほど、必要な標本は大幅に大きくなります。
- 必要な標本サイズ(母集団サイズが入力された場合は有限母集団補正が適用されます)と、無制限の母集団を想定した未調整の数値を確認します。想定される無回答分を見込んで、余裕を持った募集を計画してください。
コクランの式と有限母集団補正
割合を推定するためのコクランの式は、n0 = z^2 x p(1 - p) / e^2です。ここでzは信頼水準に対応する標準正規分布の臨界値(90%で1.6449、95%で1.96、99%で2.5758)、pは仮定する母集団割合、eは小数で表した誤差範囲です。保守的な選択p = 0.5では、p(1 - p)の項は最大値0.25を取ります。
計算例(信頼水準95%、誤差範囲5%):n0 = (1.96^2 x 0.25) / 0.05^2 = (3.8416 x 0.25) / 0.0025 = 0.9604 / 0.0025 = 384.16であり、これを切り上げて無制限の母集団では385人の回答者となります。
母集団サイズNが有限の場合、補正はn = n0 / (1 + (n0 - 1) / N)です。同じ例でN = 10,000として続けると、n = 384.16 / (1 + 383.16 / 10000) = 384.16 / 1.0383 = 369.98であり、切り上げて370人の回答者となります。標本サイズは常に切り上げられます。回答者の端数を調査することはできないためです。
よくある間違い
- 誤差範囲と信頼水準を混同する——誤差範囲(例:5%)は区間の半分の幅であり、信頼水準(例:95%)はそうした区間がどれくらいの頻度で真の値を捉えるかを表します。
- 必要な標本は母集団サイズに比例して増えると思い込む——大きな母集団では必要な標本はほとんど変わりません。だからこそ信頼水準95%・誤差範囲5%では、母集団が10万人でも1億人でも385人の回答者で足ります。
- 無回答を無視する——この式が示すのは、必要な完了回答数です。募集人数は、想定される無回答率を見込んでそれを上回る必要があります。
- 標本を大きくすればバイアスが解消されると期待する——標本サイズは無作為抽出誤差を制御するものであり、代表性のない標本による系統的なバイアスを解消するものではありません。
よくある質問
信頼水準95%、誤差範囲5%の場合、何人の回答者が必要ですか。
大きい、または無制限の母集団であれば385人です。コクランの式ではn0 = (1.96^2 x 0.25) / 0.05^2 = 384.16となり、切り上げて385になります。母集団がもっと小さい場合——たとえば10,000人——は、有限母集団補正によりこれが370人に減ります。
誤差範囲とは何ですか。
誤差範囲とは、調査の推定値を中心とする信頼区間の半分の幅のことです。誤差範囲5%とは、指定された信頼水準のもとで、真の母集団の値が標本の推定値からプラスマイナス5パーセントポイントの範囲に収まると期待されることを意味します。誤差範囲を小さくするほど、より大きな標本が必要になります。誤差範囲を半分にすると、標本サイズはおよそ4倍になります。
なぜこの計算機はp = 0.5を仮定するのですか。
必要な標本サイズは、未知の母集団割合pに、p(1 - p)という項を通じて依存します。この項はp = 0.5のときに最大になります。0.5を使うのは、コクラン(1977年)による標準的な保守的な慣習であり、真の割合が実際にはどうであっても、得られる標本は十分な大きさになります。pについて信頼できる事前の推定値があれば、より小さな標本で足りることもあります。
母集団が大きいほど、必要な標本もはるかに大きくなるのですか。
いいえ——これはよくある誤解です。未調整の標本サイズは、母集団サイズにまったく依存しません。有限母集団補正は、母集団が標本に比べて小さい場合にのみ標本を減らします。信頼水準95%、誤差範囲5%では、母集団が10万人であっても1億人であっても、おおよそ385人の回答者で足ります。
有限母集団補正とは何ですか。
母集団Nが有限の場合、非復元抽出では観測1つあたりからわずかに多くの情報が得られるため、必要な回答者数が少なくなります。補正はn = n0 / (1 + (n0 - 1) / N)であり、n0は未調整の標本サイズです。N = 10,000、信頼水準95%・誤差範囲5%の場合、必要数は385から370に減ります。Nが非常に大きい場合、この補正はごくわずかです。
この計算は無回答を考慮していますか。
いいえ。この式は、必要な完了回答数を示すものです。たとえば回答率が40%と見込まれる場合、n件の完了回答を得るにはおよそn / 0.4人に依頼する必要があります。また、無回答は標本を増やしても解消できないバイアスをもたらすことがある点にも注意してください。
参考文献
- Cochran WG. Sampling Techniques, 3rd edition. Wiley, 1977 (sample size for estimating proportions; finite population correction).
- National Institute of Standards and Technology (NIST). NIST/SEMATECH e-Handbook of Statistical Methods, Section 7.2.2: Sample sizes required. nist.gov.
- Kish L. Survey Sampling. Wiley, 1965 (design effects and practical survey sampling).