ペース結果の読み方
下の表は、よく使われるペースの単位換算と、それをイーブンで保った場合のゴールタイムを示したものです。これは数学的な換算であって、体力の基準ではありません。同じような走力のランナーでも、年齢・経験・距離によってペースの幅は非常に大きくなります。
| 1kmあたりのペース | 1マイルあたりのペース | 速度 | 10Kのゴールタイム | フルマラソンのゴールタイム |
|---|---|---|---|---|
| 4:00 /km | 6:26 /mi | 15.0 km/h | 40:00 | 2:48:47 |
| 5:00 /km | 8:03 /mi | 12.0 km/h | 50:00 | 3:30:59 |
| 6:00 /km | 9:39 /mi | 10.0 km/h | 1:00:00 | 4:13:10 |
| 7:00 /km | 11:16 /mi | 8.6 km/h | 1:10:00 | 4:55:22 |
| 8:00 /km | 12:52 /mi | 7.5 km/h | 1:20:00 | 5:37:34 |
- 平均ペースはラン中の変動を隠してしまいます。またGPSウォッチには距離の誤差があり、公認コースに対して記録距離がやや長め(または短め)になるのが普通です。
- レースコースは公認された距離で計測されていますが、ランナーが最短の計測ラインどおりに走ることはまずないため、レース中のウォッチのペースは公式ペースよりやや遅く表示されがちです。
- 維持できるペースは距離によって変わります。5kmで保てるペースは、同じランナーがフルマラソンで保てるペースより速いのが当然です。レースペースを計画するときは、その距離に応じたタイムを使ってください。
- 個人差は大きく、どんなペース表もランナー自身の直近のレース結果に代わるものではありません。
ランニングペースとは
ペースは速度の逆数です。速度が「単位時間あたりの距離」(km/h)であるのに対し、ペースは「単位距離あたりの時間」(1kmまたは1マイルあたりの分秒)を表します。5:30 /km というペースは1kmを5分30秒で走ることを意味し、速度に直すとおよそ10.9 km/hです。レースの距離は決まっていて、GPSウォッチも計時システムも練習計画も1kmまたは1マイルあたりの時間で表示するため、ランナーは速度よりペースを使います。
ランを通した平均ペースは、途中の変動をならしてくれます。10kmを55分で走れば、1kmごとに速い遅いがあっても平均は5:30 /kmです。各区間をほぼ同じタイムで刻む「イーブンペース」は長距離走の定番戦略で、5,000m以上の世界記録レースを分析すると、驚くほど均等か、わずかにネガティブスプリット(後半が速い)で走られていることが分かっています。
kmとマイルのペース換算には、マイルの正確な定義である 1マイル = 1.609344 km を使います。したがって5:30 /km はおよそ 8:51/マイル に相当します。マイルのほうが単位として長いため、1マイルあたりの数字は必ず大きくなります。
このランニングペース計算機の使い方
- 走った(または走る予定の)距離をkmで入力します。5Kなら5、10Kなら10、ハーフマラソンなら21.1、フルマラソンなら42.2です。
- タイムを分:秒(例:55:00)または時:分:秒(例:1:45:30)の形式で入力します。
- 1kmあたり・1マイルあたりのペースと、km/hでの平均速度を確認します。
- 5kmと10kmのスプリットタイムで、そのペースを一定に保った場合の通過ラップを把握します。
ランニングペースの計算式
ペースは合計タイムを合計距離で割って求めます。速度はその逆数を時速(km/h)に換算したものです。1マイルあたりのペースは、1kmあたりのペースに、国際マイルの正確なkm数である1.609344を掛けて求めます。
計算例:10kmを55:00で走った場合、3,300秒 ÷ 10 km = 1kmあたり330秒、つまり 5:30 /km です。1マイルあたりでは 330 × 1.609344 ≈ 531秒 なので 8:51 /mi。平均速度は 10 ÷ (55/60) ≈ 10.91 km/h、5kmのイーブンスプリットは 27:30 になります。
スプリットの出力は完全なイーブンペースを前提としています。実際のレースでは、起伏、風、混雑、疲労などにより完璧に均等になることはまずありません。スプリットは予測ではなく、ペース配分の目安として使ってください。
よくある間違い
- タイムの入力形式を間違える。1:45:30(hh:mm:ss)は1時間45分30秒であって、1分45秒ではありません。
- 1kmあたりのペースと1マイルあたりのペースを混同する。マイル表記の数字は必ず約61%大きくなります。
- 短い距離で出せたペースを、はるかに長い距離でも維持できると考える。距離が伸びるほど、維持できるペースは遅くなります。
- 公認レースの評価にGPS計測の距離を使う。公式ペースはウォッチの表示ではなく、公認距離をもとに算出されます。
- イーブンスプリットを予測タイムだと思い込む。あくまで完全に一定のペースで走った場合の通過タイムです。
よくある質問
ランニングペースはどう計算しますか?
合計タイムを距離で割ります。たとえば10kmを55分なら 55 ÷ 10 = 1kmあたり5.5分、つまり 5:30 /km のペースです。1マイルあたりに換算するには1kmあたりのペースに1.609344を掛けます。この例ではおよそ 8:51 /mi になります。
5:30/km はマイル換算でどのくらいですか?
1マイルはちょうど1.609344kmなので、5:30 /km はおよそ 8:51/マイル に相当します。このペースを完全にイーブンで保つと、10Kは 55:00、ハーフマラソンは約 1:56:02 でゴールする計算です。
ペースと速度の違いは何ですか?
ペースは単位距離あたりの時間(1kmまたは1マイルあたりの分秒)、速度は単位時間あたりの距離(km/h や mph)で、両者は互いに逆数の関係にあります。6:00 /km のペースは 10 km/h の速度と同じです。レースの距離は固定されており、目標タイムがそのまま1kmあたりの目標ペースに変換できるため、ランナーは主にペースを使います。
GPSウォッチのペースが公式のレースペースと違うのはなぜですか?
GPSウォッチは公認コースの距離よりやや長めに記録するのが一般的です。ランナーが最短の計測ラインどおりに走らないことに加え、GPSの測位が実際の軌跡の周りにばらつくためです。公式のレースペースはゴールタイムを公認距離で割った値なので、ウォッチの平均ペースより1kmあたりでやや遅く出るのが普通です。
イーブンスプリットで走るべきですか?
長距離の世界記録レースを分析すると、イーブンかわずかにネガティブスプリット(後半が前半と同じかそれより速い)で達成されているのが典型です。5km以上のレースでは、指導書でもイーブンペースが最も多く推奨されています。ただし起伏や風、個人の反応は人それぞれなので、最終的なペース配分は経験を通して自分に合う形に詰めていくものです。
5Kと10Kのスプリットタイムはどう使えばいいですか?
スプリットの出力は、平均ペースを完全に一定に保った場合の5km地点・10km地点の通過タイムです。チェックポイントとして役立ちます。たとえば10kmを55:00で狙うレースなら、5kmを約27:30で通過していればイーブンペースどおりの進行だと判断できます。
参考文献
- International Association of Athletics Federations (World Athletics). Competition and technical rules — road-race distances (5 km, 10 km, half marathon 21.0975 km, marathon 42.195 km).
- Tucker R, Lambert MI, Noakes TD. An analysis of pacing strategies during men's world-record performances in track athletics. International Journal of Sports Physiology and Performance 2006; 1(3): 233–245.
- Abbiss CR, Laursen PB. Describing and understanding pacing strategies during athletic competition. Sports Medicine 2008; 38(3): 239–252.
- National Institute of Standards and Technology (NIST). Metric conversions — 1 international mile = 1.609344 km exactly.
- American College of Sports Medicine. ACSM's Guidelines for Exercise Testing and Prescription, 11th edition. Wolters Kluwer, 2021.