TDEEの結果の読み方
以下の活動係数は、ミフリン・セントジョー式やハリス・ベネディクト式と組み合わせて使われる標準的な区分です。どの行を選ぶかは他のどの入力項目よりも結果を左右します。隣り合うレベルどうしでも1日300〜400 kcalの差が生じるためです。
| 活動レベル | 係数 | 典型的な生活の様子 |
|---|---|---|
| 座位中心 | 1.2 | デスクワーク中心で、意識的な運動はほとんどしない |
| 軽い活動 | 1.375 | 週1〜3日の軽い運動やスポーツ |
| 中程度の活動 | 1.55 | 週3〜5日の中程度の運動 |
| 活発 | 1.725 | 週6〜7日の激しい運動 |
| 非常に活発 | 1.9 | 毎日の非常に激しい運動、または肉体労働 |
- 推定式が安静時代謝を予測できる精度は、健康な成人の大半でおおむね±10%程度です。特に体重が極端に多い場合や少ない場合には、個人差がこれを超えることもあります。
- 自己申告による活動レベルはTDEE推定の最大の誤差要因です。実際の運動量よりも高いカテゴリを選んでしまう人は少なくありません。
- 500 kcalを引いた値が女性1,200 kcal/日・男性1,500 kcal/日を下回る場合、ゆるやかな減量の行は下限値に置き換えるのではなく、まるごと非表示になります。これを下回る摂取量は超低カロリー食の領域に入り、保健機関は医師の管理下でのみ行うよう勧めています。
- TDEEは体重の変化とともに変わるため、時間が経つと推定値は古くなります。定期的に再計算してください。
- 管理栄養士や医療専門職に相談すれば、持病や服薬状況、目標を踏まえたうえでエネルギー必要量を解釈してもらえます。
TDEEとは
総消費エネルギー量(TDEE)は、24時間で消費される総カロリーのことです。完全な安静状態で使われる基礎代謝量、食事を消化する際に使われる食事誘発性熱産生、そして運動から無意識の身体の動きまでを含むあらゆる活動にかかるエネルギーの合計で構成されます。
エネルギー消費量を直接測るには間接熱量測定法や二重標識水法といった実験室レベルの手法が必要になるため、日常的なツールでは推定式が用いられます。もっとも一般的なのが本計算ツールの方式で、1990年に American Journal of Clinical Nutrition 誌で発表されたミフリン・セントジョー式で安静時エネルギー消費量を求め、1.2(座位中心)から1.9(非常に活発)までの活動係数を掛ける方法です。
TDEEの推定値には無視できない誤差があります。ミフリン・セントジョー式が健康な成人の実測値を予測できる精度はおおむね10%以内とされ、さらに活動係数を自分で選ぶ際にも誤差が加わります。自分の活動量を実際より高く見積もる人が多いためです。したがってTDEEの数値は、数週間かけて実際の体重推移と照らし合わせながら調整していく出発点であり、個人の正確な実測値ではありません。
このTDEE計算ツールの使い方
- 性別を選び、年齢を入力します。どちらもミフリン・セントジョー式の変数です。
- 体重と身長を入力します。必要に応じてメートル法/ヤード・ポンド法の切り替えをご利用ください。
- ふだんの1週間にもっとも近い活動レベルを選びます。運動だけでなく仕事による身体活動も含めて考えてください。
- 推定TDEEと、維持カロリー・ゆるやかな減量・ゆるやかな増量の各数値を合わせて確認します。結果は入力と同時に更新されます。
TDEEの計算式
本ツールはまずミフリン・セントジョー式(Mifflin & St Jeor ほか, 1990)で安静時エネルギー消費量を推定します。この式は米国栄養士会による系統的レビュー(Frankenfield ほか, 2005)を含む検証研究で、健康な成人を対象とした一般的な推定式のなかでもっとも信頼性が高いと評価されています。
次に、求めた安静時消費量に標準的な活動係数を掛けます。座位中心は1.2、軽い活動は1.375、中程度の活動は1.55、活発は1.725、非常に活発は1.9です。計算例として、30歳男性・体重70 kg・身長175 cmの場合、ミフリン・セントジョー式による安静時消費量は約1,649 kcal/日となり、中程度の係数1.55を掛けるとTDEEはおよそ2,556 kcal/日になります。
ゆるやかな減量の数値は維持カロリーから500 kcalを引き、ゆるやかな増量は250 kcalを足したものです。ただし減量の数値は女性で1,200 kcal/日、男性で1,500 kcal/日を下回って表示されることはありません。英国NHSをはじめとする保健機関は、おおよそこの水準を下回る超低カロリー食は必要な栄養素を十分に摂ることが難しく、通常は医学的管理下のプログラムに限られるため、日常的に自己判断で行うべきではないとしています。500 kcalを引いた値がこの下限を下回る場合、本ツールは下限を減量値であるかのように表示せず、減量の数値自体を非表示にして理由を説明します。
よくある間違い
- 活動レベルを高く見積もること。ほとんど動いていない1週間を「中程度の活動」と数えると、推定値が1日あたり数百kcal過大になります。
- TDEEを正確な数値として扱うこと。実際には±10%(あるいはそれ以上)の幅がある出発点であり、実際の体重推移で検証すべきものです。
- TDEEと基礎代謝量(BMR)を混同すること。BMRは安静時の代謝だけですが、TDEEは1日のあらゆる活動を含みます。
- 体重が変わったあとに再計算しないこと。体重が減ればエネルギー消費量も下がります。
- 運動分を二重に数えること。高い活動係数を選んだうえで、さらに運動による消費カロリーを上乗せしてしまうケースです。
よくある質問
TDEEとBMRの違いは何ですか?
BMR(基礎代謝量)は完全な安静状態で身体が使うエネルギーで、TDEE(総消費エネルギー量)はBMRに消化にかかるエネルギーとあらゆる身体活動分を加えたものです。TDEEは安静時エネルギー消費量の推定値に1.2〜1.9の活動係数を掛けて求めるため、必ずBMRより大きくなります。
TDEE計算ツールはどのくらい正確ですか?
ここで用いているミフリン・セントジョー式は、Frankenfieldらの系統的レビュー(2005)によれば、健康な成人の大半で実験室での実測値の約10%以内に安静時代謝量を予測できます。活動係数は自己判断で選ぶため、さらに誤差が加わります。TDEE計算ツールが示すのは妥当な出発点としての推定値であり、個人の正確な実測値ではありません。
どの活動レベルを選べばよいですか?
仕事による身体活動も含め、ふだんの1週間全体を基準に選んでください。座位中心は座っている時間が大半で意識的な運動をほとんどしない状態、軽い活動は週1〜3日の運動、中程度の活動は週3〜5日、活発は週6〜7日の激しい運動、非常に活発は毎日の非常に激しいトレーニングか肉体的にきつい仕事を指します。迷ったときは、デスクワーク中心で週に数回運動する人の多くは「軽い〜中程度」の範囲に当てはまります。
ゆるやかな減量の数値が1,200または1,500 kcalで止まるのはなぜですか?
本ツールは女性で1,200 kcal/日、男性で1,500 kcal/日を下回るカロリー目標を表示しません。おおよそこの水準を下回ると超低カロリー食の領域に入り、必要な栄養素を満たすことが難しくなるため、英国NHSなどの保健機関は医学的管理下でのみ行うべきだとしています。この下限は安全のためのガードレールであり、推奨値ではありません。
維持カロリーとは何ですか?
維持カロリーとは、体重がほぼ変わらない状態を保てる1日の摂取エネルギー量、つまり摂取量と総消費エネルギー量が釣り合う水準のことです。本ツールでは維持カロリーの数値はTDEEの推定値と同じになります。実際の維持量には個人差があるため、数週間の体重の推移を記録して確かめるのが確実です。
TDEEは時間とともに変わりますか?
変わります。TDEEは体重、体組成、年齢、活動量に左右され、これらはいずれも変化します。一般に体重が減ると、また年齢を重ねるとエネルギー消費量は下がり、筋肉量や活動量が増えれば上がります。体重や生活習慣に目立った変化があったら再計算すると、推定値を最新の状態に保てます。
参考文献
- Mifflin MD, St Jeor ST, Hill LA, Scott BJ, Daugherty SA, Koh YO. A new predictive equation for resting energy expenditure in healthy individuals. American Journal of Clinical Nutrition 1990; 51(2): 241–247.
- Frankenfield D, Roth-Yousey L, Compher C. Comparison of predictive equations for resting metabolic rate in healthy nonobese and obese adults: a systematic review. Journal of the American Dietetic Association 2005; 105(5): 775–789.
- American College of Sports Medicine. ACSM's Guidelines for Exercise Testing and Prescription, 11th edition. Wolters Kluwer, 2021.
- NHS. Very low calorie diets. nhs.uk — guidance that VLCDs should be medically supervised.
- Hall KD et al. Quantification of the effect of energy imbalance on bodyweight. The Lancet 2011; 378(9793): 826–837.