消費カロリーの推定結果を理解する
- これは総消費カロリーの推定値、つまりその活動にかかった推定エネルギーコストの合計であり、安静時代謝を上回る分だけのカロリーではありません。
- METに基づく計算式は集団平均であり、同じ活動であっても、体力レベル、歩行の効率、地形など、歩数と体重だけでは捉えられない要因によって個人のエネルギー消費量は変わります。
- 想定されているケイデンス(ゆったりペースで毎分約100歩、きびきびペースで毎分約130歩)は一般的な慣習であり、実際の歩く速さを測定したものではありません。実際のケイデンスは、体感的な運動強度が同程度であっても個人差があります。
- METに基づく計算式はエネルギーコストを体重に比例させるため、体重が重いほど、同じ活動での推定消費カロリーは多くなります。
歩数から消費カロリーへの推定とは?
歩数をエネルギー消費量の推定値に変換するには、2段階の変換が必要です。歩数を歩行時間に変換すること(想定するケイデンス、つまり1分あたりの歩数を使用)、そして歩行時間を消費カロリーに変換すること(METに基づく計算式を使用)です。この計算機はこの2つの手順を順番に適用し、歩数だけから推定カロリー値を算出します。
MET(代謝当量)値は、ある活動のエネルギーコストを安静時代謝の倍数として表したものです。1METはおおよそ静かに座っているときに使われるエネルギー量にあたります。この計算機は、AinsworthらによるThe 2011 Compendium of Physical Activitiesに掲載されているウォーキングのMET値を使用しており、ゆったりペースで3.5MET、きびきびペースで4.3METです。
ケイデンス(1分あたりの歩数)は、歩数を推定所要時間に変換するために使われます。この計算機は、ゆったりペースで毎分約100歩、きびきびペースで毎分約130歩を想定しており、これらのケイデンスは、歩行強度と歩調の関係を扱った歩数計ベースの研究におおむね一致しています。
この歩数から消費カロリーへの計算機の使い方
- 推定したい期間の合計歩数を入力します。
- 体重を入力します。必要に応じてメートル法/ヤードポンド法の切り替えを使用してください。消費カロリーは体重に応じて変化します。
- 自分の運動強度に最も近い歩くペースを選択します:ゆったりペースまたはきびきびペース。
- 推定消費カロリー、推定歩行時間、計算に使われたMET値を確認します。
歩数から消費カロリーへの推定を支える計算式
まず、選択したペースの想定ケイデンスを使って、歩数を推定歩行分数に変換します。その所要時間を、そのペースのMET値および体重とあわせて、標準的なMETベースのカロリー計算式に用います。
計算例:ゆったりペース(毎分100歩)で10,000歩歩くと、所要時間は100分と推定されます。体重70kgの人の場合、3.5METとして、推定消費カロリーは3.5×70×(100÷60)≈408kcalです。
同じ10,000歩をきびきびペース(毎分130歩、4.3MET)で歩くと、所要時間は約77分と推定され、4.3×70×(77÷60)≈386kcalとなります。強度が高いにもかかわらず、ゆったりペースの推定値より合計カロリーが少なくなるのは、きびきびペースのほうが同じ歩数をより短い時間でこなすためです。
よくある間違い
- ペースにかかわらず、すべての歩数が同じカロリーを消費すると思い込んでしまうこと。きびきびペースは、同じ歩数をより短時間でこなす場合でも、1分あたりのMET値がゆったりペースより高くなります。
- この推定値を、MET値に基づく集団平均の近似ではなく、正確な個人測定値として扱ってしまうこと。
- 2人の間で歩数ベースのカロリー推定値を比較する際に、体重の違いを考慮しないこと。体重が重い人は、同じ歩数でも推定消費カロリーが多くなります。
- 総消費カロリー(この推定値、活動にかかったエネルギーコストの合計)と、純消費カロリー(もともと安静時に消費していた分を上回るエネルギーコスト)を混同してしまうこと。
- ランニングやその他の高強度な活動で数えた歩数に、このウォーキング用のケイデンスとMETの前提を適用してしまうこと。
よくある質問
この計算機は歩数からどのように消費カロリーを推定しますか?
まず、想定ケイデンス(ゆったりペースで毎分約100歩、きびきびペースで毎分約130歩)を使って歩数を推定歩行分数に変換し、次にそのペースのウォーキングMET値と体重を使って、標準的なMETベースのカロリー計算式を適用します。
ウォーキングにはどのMET値が使われていますか?
この計算機は、ゆったりペースで3.5MET、きびきびペースで4.3METを使用しています。いずれもAinsworthらによるThe 2011 Compendium of Physical Activitiesに基づくもので、活動のエネルギーコストに関する標準的な参考文献です。
同じ歩数でも、きびきびペースのほうがゆったりペースより合計カロリーが少なく表示されることがあるのはなぜですか?
きびきびペースは想定ケイデンスが高いため、同じ歩数をより短時間でこなすからです。きびきびウォーキングは1分あたりのMET値が高いものの、所要時間が短くなる分、同じ歩数を歩く長めのゆったりウォーキングと比べて、合計消費カロリーの推定値が同程度か、それより少なくなることがあります。
歩数から消費カロリーへの推定はどれくらい正確ですか?
これは個人ごとに実測した値ではなく、集団平均の推定値です。METに基づく計算式は、歩行の効率、地形、傾斜、体力レベルといった個人差を考慮していないため、実際のエネルギー消費量は推定値と異なる場合があります。
体重は消費カロリーの推定値に影響しますか?
はい。METに基づくカロリー計算式は体重に直接比例するため、同じ歩数を同じペースで歩いた場合でも、体重が重い人のほうが軽い人より多くのカロリーを消費すると推定されます。
参考文献
- Ainsworth BE, Haskell WL, Herrmann SD, et al. 2011 Compendium of Physical Activities: a second update of codes and MET values. Medicine & Science in Sports & Exercise 2011; 43(8): 1575–1581.
- Tudor-Locke C, Rowe DA. Using cadence to study free-living ambulatory behaviour. Sports Medicine 2012; 42(5): 381–398.
- American College of Sports Medicine. ACSM's Guidelines for Exercise Testing and Prescription, 11th edition. Wolters Kluwer, 2021.