BMIは共通、基準値は共通ではない
体格指数は体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割った値であり、その計算式はどこでも同じです。異なるのは、その数値を分類するために使われる基準値のセットです。世界保健機関(WHO)は国際的な分類を発表しており、同時にBMIと健康リスクの関係が集団によって異なることも認めているため、多くのアジア系集団に対して追加の基準値を設けています。
2つの基準体系を並べて比較
この表は、WHO国際基準と、WHOが多くのアジア系集団向けに示している、より低いアジア太平洋基準を比較したものです。アジア太平洋基準では、より低いBMIで心血管代謝リスクが上昇し始めるとされています。
| 区分 | WHO国際基準 | アジア太平洋基準(WHO) |
|---|---|---|
| 低体重 | 18.5未満 | 18.5未満 |
| 健康的な体重 | 18.5〜24.9 | 18.5〜22.9 |
| リスク増加/過体重 | 25.0〜29.9 | 23.0〜27.4 |
| 肥満 | 30.0以上 | 27.5以上 |
同じBMIでも分類が異なる理由
基準の幅が異なるため、同一のBMIでも異なる区分に分類されることがあります。BMI 24.0はWHO国際基準では健康的な体重ですが、アジア太平洋基準ではリスク増加の範囲に入ります。BMI 28.0は国際基準では過体重ですが、アジア太平洋基準では肥満の基準に達します。数値そのものは変わっておらず、変わっているのはそれに適用されるリスクの基準です。
その理由は、同じBMIであっても、一部のアジア系集団は、元の国際基準の設定根拠となった集団と比べて体脂肪率が高く、2型糖尿病や心血管疾患の発症率も高い傾向があるためです。より低い基準値は、こうしたリスクの上昇をより早い段階で捉えることを目的としています。
BMIそのものの限界
どちらの基準値を使うにしても、BMIはあくまでスクリーニングツールであり、診断や体組成の測定ではありません。筋肉と脂肪を区別できないため、筋肉量の多い人は体脂肪が過剰でなくてもBMIが高くなることがあり、また脂肪がどこに蓄積しているかについても何も示しません——ウエスト周囲径はBMIでは得られない情報を補ってくれます。BMIは集団レベルでの利用や最初のスクリーニングとして最も有用であり、個人の評価には臨床的判断や追加の測定値を組み合わせる必要があります。
よくある質問
健康的なBMIの範囲はどのくらいですか?
WHO国際基準では18.5〜24.9が健康的な体重です。WHOが示すアジア太平洋基準では、健康的な範囲は18.5〜22.9になります。
アジア系向けのBMI基準値が低いのはなぜですか?
同じBMIであっても、多くのアジア系集団は体脂肪率が高く、2型糖尿病や心血管疾患の発症率も高い傾向があるため、より低い基準値によってリスク上昇を早期に捉えられるようにしています。
同じBMIが健康的でもあり過体重でもあり得ますか?
異なる基準のもとでは、あり得ます。BMI 24はWHO国際基準では健康的ですが、アジア太平洋基準ではリスク増加に分類されます。
BMIは診断ですか?
いいえ。BMIはスクリーニングツールです。筋肉と脂肪を区別せず、脂肪の分布も示さないため、他の測定値や臨床的判断と組み合わせて使うべきです。
参考文献
- World Health Organization — Body mass index (BMI) classification. https://www.who.int/data/gho/data/themes/topics/topic-details/GHO/body-mass-index
- WHO Expert Consultation. Appropriate body-mass index for Asian populations and its implications for policy and intervention strategies. Lancet. 2004;363(9403):157-163. https://doi.org/10.1016/S0140-6736(03)15268-3
- U.S. Centers for Disease Control and Prevention — About Adult BMI. https://www.cdc.gov/healthyweight/assessing/bmi/